そういえば、僕は最近ビジネス書も読んでないし、お金の本も読んでいない。
ビジネス書やお金の本は、ある意味で精神安定剤でもあったが、もう、卒業。
で、どんな本を読んでたかというと、ご想像の通り仏教関係。
著名なところでは、
中村元先生の「ブッダのことば」、「ブッダの真理のことば・感興のことば」
これは、大学生時代、インドに旅したときにも持っていった愛着のある本。
めるくまーる社の「ミラレパ」は、おおえまさのり氏による翻訳で、チベット仏教カギュウ派の偉大なるヨギーのミラレパの自伝。現在は絶版中。チベット仏教を学ぶものとしては必須の本で、修行者の心得やチベット人のものの考えがよくわかる本。人間の精神というのは、1000年前から然程変わらないし、僕たち先進国に住む人間にとっては、チベット人らの精神性には到底かなわない。ちなみにこの本のデザインは横尾忠則画伯。
C・トゥルンパは、中国人民解放軍侵攻により1950年代に英国とアメリカに亡命し、欧米諸国にてチベット仏教の奥義を広めた功績をもつカギュ派の活仏。そのトゥルンパによる「心の迷妄を断つ智慧」は、ナーローパが師であるティローパから与えられた幾多の困難と苦行を乗り越え悟りを得ていくプロセスを解説したもの。1000年前当時、インドの仏教大学の教授としてエリート街道まっしぐらのナーローパが俗世の社会的ステータスやプライドを木っ端みじんに切り裂いて、捨て身となって師ディローバのもとへ帰依し悟りを得ていく姿を、C.トゥルンパが60年代にアメリカ人弟子に解説したもの。この本は、アメリカのカウンター・カルチャーに大いに影響を与えたらしいが、未だ僕の理解の域を超えている。
で、そのC.トゥルンパのアメリカ人カギュ派弟子のペマ・チュードゥンの「すべてがうまくいかないとき チベット仏教からのアドバイス」は、「苦」が生じたときに、現代人が生活のなかで如何にして対処すべきかについて解説されたもの。僕は、昨年、常に「苦」と一緒だったで、とても心が軽くなった一冊。
そして、我がチェソン法王の自伝「From the heart of tibet」。チベットの貴族の家に生まれ、前法王の生まれ変わりと認められ法王となり、1950年代には中国人民解放軍のチベットへの侵攻をうけ強制収容所に送られるという屈辱を受け、ナイフと僅かな食料だけでヒマラヤを超えインドへ亡命したことや、アメリカに留学し何とマクドナルドでバイトした経験など、これだけで立派な映画のシナリオになりそうな波乱な人生を経験された我らの法王。
ガムポパの「解脱の宝飾」は、1000年も前からチベット仏教カギュ派の僧侶達に読み伝えられてきた古典的テキスト。
ところで、我が師、リンチェンドルジェ・リンポチェによると、「ブッダのことば」などにある釈迦の教えは、全て、仏教に帰依した修行僧に向けて発した言葉であるとのこと。だから、一般の人には理解が困難であるらしく、確かに、かつては、中村先生の翻訳された美しい言葉だけが印象に残ったが、その意味は何のことやらさっぱりわからなかった。
だから、これら書物を読んで仏教をわかったつもりでいても、実は、何もわかってないらしく、師の口伝と自らの実践によってこそ智慧は得られるのだそうだ。
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