日曜日, 5月 07, 2006

四国の山中でchiiori projectと出会う


徳島県東祖谷山村のアレックス・カーの家に遊びに行った。

祖谷(いや)は、日本三大秘境のひとつであり、平家の落人が隠れ住んだと言われるほど険しい山と谷に囲まれた集落。アレックス・カーはこの地に建つ茅葺き屋根で囲炉裏のある300年前の民家を購入し、ここを拠点に「ちりおいプロジェクト(chiiori project)」として、日本の伝統的な生活の継承と保存、都市と山村との交流、地域社会の復興を目的とした様々な活動をされている。

この祖谷の地に、世界各国の伝統的な日本文化に憧れるバックパッカー達が集う。
その訳は、アレックス氏の欧米でベストセラーとなった「Lost Japan」や彼が編集したLonly Planetという外人向けの日本のガイドブックによるものだ。

僕らが滞在した日も、今治市に住むスリランカ系イギリス人女性、津市に住む保育士と和歌山の英語教師助手(彼だけは日本語が堪能だった)のアメリカ人男性達などの欧米人が「ちいおり」のゆっくり流れる時間を楽しんでいた。そして、僕らも拙い英会話で彼等と会話を楽しんだ。

さて、現在、僕が企画に関わっている「奥伊吹の地域再生プロジェクト」。奥伊吹は、東祖谷山村に負けないぐらい日本の原風景や伝統・風習が残っている。しかも、京都・大阪と名古屋の中間点に位置し交通も便利だ。
だから、日本文化に憧れる彼ら外国人に対しても居心地がよく、かつ刺激的な本物の日本文化を感じ取ってもらえるような滞在拠点づくりをぜひ実現したいものである。今回の「ちいおり」で得た刺激や参考とすべき収穫は非常に大きい。

なお、東祖谷山村は過疎化が進み、後継者不足のため、フィリピンやタイのお嫁さんが多いようで、子供達は混血が多かったのも印象的だった。
日本の伝統文化の宝庫であるはずの中山間地が危機に曝されている現場を垣間見た。