金曜日, 4月 13, 2012

ディスカバー琉球〜やいま(八重山諸島)で琉球文化の源泉に触れる〜


正直、最近の沖縄音楽には魅力を感じなくなっていた。
でも、石垣島に来てからは、そんな倦怠感が一瞬にして吹っ飛ばされたのだった。

倦怠感の理由は、沖縄音楽のルーツを沖縄本島を基軸にして、琉球古典音楽の源流を冊封による中国大陸やインドシナとの貿易などによって琉球王府にもたらされたものと偏った歴史俯瞰してしまったためである。
それ故、石垣を含め先島諸島の音楽もそして神事である祭司も、すべては首里からもたらされたものであるとの思い込みのパラダイムに縛られていたのであった。

石垣島の川平集落は、この島に人類が最初に上陸した地点と言われている。それ故、この集落をフィールドワークしていくと、琉球の文化の源泉が、このあたりで花を咲か、そして、北上し首里に伝わっていったという南方説が頷ける文化が色濃く残っているのを知ったのである。

この島に来たことで、また、僕のなかで、かつての沖縄音楽に心ときめいていた自分に出会えたのである!

※ご存知Enigmaのサンプリング元の音源になった台湾アミ族の歌い手Difang(郭英男)。沖縄音楽を考察する新たなアプローチではないだろうか。

水曜日, 4月 11, 2012

八重山諸島の旅とニート、そしてカウンター・カルチャー



かれこれ30年前、まだ十代だった僕は、記念すべき一人旅の最初の地として沖縄と八重山諸島を旅した。
以来、僕の放浪癖が始まり、インド、ネパール、香港、タイ、インドネシア、イタリア、フランス、ロシア(サンクト・ペテルブルグはこの地球上で最も大好きな街)、フィンランド、そして、最近は台湾、中国内陸部などの自分のルーツを探るような深い旅を重ね続けている。
旅は僕の人生そのもの。

そして、今年になって、30年ぶりに念願だった八重山諸島の石垣島への再訪がようやく実現した。
今回の旅の目的は、国が推し進めるインバウンド観光政策の一環としての仕事だったが、コンサルタントである僕のノウハウで、この島に少なからずも恩返しができたことは、本当に嬉しいかぎり。
30年ぶりの島の友人たちは、(僕もそうだが)すっかり歳を重ねてはいたが、まるで昨日のように何一つ変わらず、温かく迎えてくれた。
この石垣には来年3月に新空港が開通し、本土からもそして海外からもこの島がより身近になって、より多くの観光客が訪れることだろう。現に、この島の川平湾は、ミシュランガイドで三ツ星を獲得し、ロンリープラネットの世界の秘境の島ベスト3位にも選ばれて、欧米のバックパッカーの憧れの地として実際にこの地を訪れる旅人は多い。

揚子江と黄河から流れてくる2つの龍体エネルギーが最初に合流する地点がここ川平湾であり、この合体した2つのドラゴンがやがて沖縄本島、そして、日本本土へと辿り着くと言われている。
それ故、川平湾の磁場は強烈であった。僕の大好きな高知の足摺岬に流れている磁場と同じような優しい慈愛のエネルギーだ。
もし、あなたが、この川平湾を訪れる機会があれば、是非、IRIWAというドミトリーに宿泊してみてほしい。
この宿には、世界中からバックパッカーがこのオープンな空間である宿を目指し、そして、一合一会に集まった人々が不思議と一つとなり、なんとも言えない懐かしさ(サウダージ)を感じるのである。
このラブリーなインターナショナルな宿の庭で、僕は、2つのドラゴンが交わり祝福のダンスしているのをリアルに感じるのだ。

こういう手の話はこれぐらいにして、真面目に最近の若い人の話をしよう。
「石垣はニートの島」と、かのロンリー・プラネット(オーストラリアの世界最大の出版部数を誇る旅行ガイド専門誌でバックパッカーのバイブル。欧米版の地球の歩き方)も紹介しているぐらい、この島にはそういう若者が確かに多い。
僕は、この島では彼らの生活拠点でもある1泊2000円以下のドミトリーに宿泊し、彼らと接する貴重な機会を得た。
「聖地」である石垣島は人を癒すことのできる場所でもあることから、それ故、この島にはフリーターやニートが集まってくるこということも納得できたのである。
ある意味、彼らは、僕ら世代や社会が創りだした終始雇用制度の崩壊や派遣問題、あるいはグローバル化による新興国との賃金競争という厳しい切り捨て就労環境から派生した一種の競争社会の膿から起因し、企業の競争力と生き残りの代償のツケを彼らに肩代わりさせていると言っても過言ではないだろうか。最近、そんなことをよく考える。

「人間の老化は、その人にとっては進化である」という考え方がある。そして、究極の進化は、癌である。
癌イコール死あるいは恐怖という変え方ではなく、癌細胞はこれまでの不摂生な生活習慣に唯一対抗(カウンター)できる生理的なメカニズムであるとのこと。こういうパラダイムシフトでもって自分のカラダや世の中を観察していくべきなのだ。

60年代のアメリカのカウンター・カルチャーが社会や組織への対抗の時代であったように、3.11後の日本の未来は、これまでの価値観ではもう乗り越えられないと1億3千万人が薄々感じ取っている。今、この日本にもカウンター・カルチャー的な考え方をもった若者たちが現れていくことが必要であるとするならば、日本だってオヤジ族のしらないところで、しっかりと若い世代は『進化』していたわけで、彼らフリーターやニートがいるこの日本の未来は明るいではないか!と感じている次第。

で、ニートに最も近いオヤジ族と自負する僕は、この島で2つの運命的なチャンスをもらい、そして、それを必ずや実現すると決断をした。
ひとつは、我社にとって第2作目となる新作の映画を自らプロデュースすること。(現在、あのS映画会社の社長にアプローチしている。)
そして、もうひとつは、僕にとっては初めての本を出版すること。

旅は確かに人を成長させる。
そして、いつかは自分を成長させてくれたその土地や仕事へ恩返しをすることで、自分の旅は完結するのだ。

すべてのクリエーター、そして、ニート族へ!
''True originality consists not in a new manner but in a new vision..''
〜真のオリジナリティは新しい手法からでは生み出せない。それは、世の中に未だ存在しない新しいビジョンからこそ生まれるものなのだ〜

新しいVisionは残念ながら自分の手中にはない! だから、同胞諸君、Keep on Travelingしようぜっ!
Yeah〜〜

※写真は20年前、ネパールにて巡礼中の僕。