土曜日, 9月 09, 2006

Barcelona Raval Sessions


Raval(ラバル)のこと、音楽に敏感な人は、もう知っている人も多いと思う。僕もそんな一人だと自負している。
ラバルとは、スペインはバルセロナにある移民街のこと。美しいバルセロナにあって最も危険な場所といわれている。ここから発せられる多国籍で雑多なミクスカルチャーな現在進行形の音を集めたのが、“Barcelona Raval Sessions”という2枚組のアルバム。
マグレブというアラブ系音楽、アフリカ、フラメンコ、バングラ、レゲエ、ヒップポップにバラカン・ビートまでもがごった煮となったヒップでカッコいいビート。こういう最先端な地中海音楽が混血化されていく現場のひとつがラバルである。
ちなみに、フランスではオクシタンというマルセイユの港町がそうだ。

ラバルの面白いところは、バルセロナという場所のもつ魅力でもある。エレクトリック・ミュージックの祭典“sonar”が開催されたり、マヌ・チャオやプレューズ7というアーティスト達も移住し、ここを音楽活動の拠点にしている。

さて、これからRavalから発せられる現在進行形のアンダーグランドな音が世界にどのように影響していくのかが、楽しみだ。

日曜日, 9月 03, 2006

フクギ(福木)に抱かれて


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Originally uploaded by mitsu_nakamori.
沖縄本島北部の今帰仁(ナキジン)の今泊を旅した。
沖縄らしい家並みが色濃く残り、また、沖縄らしいゆっくりとした時間が流れる素敵な場所。
珊瑚の塀とフクギが生い茂る生け垣の家並みが残っている。

フクギという木は、スリランカあたりが原産地らしく、以外にも沖縄の木ではない。
フクギの肉厚な葉っぱは台風にとても強く、また、日照にも潮風にも強い。
台風の強風でもラジエーターのような効果で、フクギの中の方は微風になるし、熱風もラジエーター効果で冷やされるという。

沖縄の人が小さな島に住めるようになったのはフクギのお陰でもあるという。だが、そのことを知っている沖縄の人は少ない。
確かに、コンクリートで造られた環境はフクギがなくても住める。
しかし、風の通らない住まいは何か問題ではないだろうか。

道路拡幅工事でフクギは切られているという。
沖縄らしい景観をもたらすフクギの並木道がなくなっていることは、殺風景になりつつある沖縄の一因でもあるのかも知れない。

EVE氣みちひらきまつり


8月19日、20日に開催された『EVE氣みちひらきまつり』という地域再生と音楽の祭典をテーマとしたイベントの総合プロデュースをした。
構想から1年。具体的なプランニングとその準備が4月からスタートし、無謀ともいえるスケジュールであったけれども、多くのマスコミにも取り上げられ、多くの賛同者を得て成功した。
伊吹山に伝わるヤマトタケル神話の地。
来年も楽しみな滋賀県奥伊吹でのビック・イベントと定着させたい。

日曜日, 5月 07, 2006

四国の山中でchiiori projectと出会う


徳島県東祖谷山村のアレックス・カーの家に遊びに行った。

祖谷(いや)は、日本三大秘境のひとつであり、平家の落人が隠れ住んだと言われるほど険しい山と谷に囲まれた集落。アレックス・カーはこの地に建つ茅葺き屋根で囲炉裏のある300年前の民家を購入し、ここを拠点に「ちりおいプロジェクト(chiiori project)」として、日本の伝統的な生活の継承と保存、都市と山村との交流、地域社会の復興を目的とした様々な活動をされている。

この祖谷の地に、世界各国の伝統的な日本文化に憧れるバックパッカー達が集う。
その訳は、アレックス氏の欧米でベストセラーとなった「Lost Japan」や彼が編集したLonly Planetという外人向けの日本のガイドブックによるものだ。

僕らが滞在した日も、今治市に住むスリランカ系イギリス人女性、津市に住む保育士と和歌山の英語教師助手(彼だけは日本語が堪能だった)のアメリカ人男性達などの欧米人が「ちいおり」のゆっくり流れる時間を楽しんでいた。そして、僕らも拙い英会話で彼等と会話を楽しんだ。

さて、現在、僕が企画に関わっている「奥伊吹の地域再生プロジェクト」。奥伊吹は、東祖谷山村に負けないぐらい日本の原風景や伝統・風習が残っている。しかも、京都・大阪と名古屋の中間点に位置し交通も便利だ。
だから、日本文化に憧れる彼ら外国人に対しても居心地がよく、かつ刺激的な本物の日本文化を感じ取ってもらえるような滞在拠点づくりをぜひ実現したいものである。今回の「ちいおり」で得た刺激や参考とすべき収穫は非常に大きい。

なお、東祖谷山村は過疎化が進み、後継者不足のため、フィリピンやタイのお嫁さんが多いようで、子供達は混血が多かったのも印象的だった。
日本の伝統文化の宝庫であるはずの中山間地が危機に曝されている現場を垣間見た。

火曜日, 3月 21, 2006

拝啓Joanna Newsomさんへ


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Originally uploaded by mitsu_nakamori.

拝啓Joanna Newsomさん

僕は、あなたの音世界にすっかり魅せられました。

はっきり言って、やられました。

こんなに繰り返し、繰り返し何度も一人の女性アーチストの声を一日中飽きもせず聴いたのは、ケイト&アン・マクギニール姉妹以来でしょうか。

あなたは新鋭のアメリカの女性シンガーソングライターとしては珍しくハープを紡いでアメリカの古い民謡(あえて、フォーク・ソングとは言いません)を掘り起こし、あなたの優しくて新しい感性でもって魂を注いでいますね。それは、静かな叫びではありますが、僕には今のアメリカ社会への痛烈な悲鳴のようにも響きます。違いますか?。

そんな、あなたの前衛とも孤高ともいえるスタイルは、9.11後のアメリカ社会で評価されるのには、まだまだ時間がかかるのでしょうけど、僕は、アジアの片隅でずっとあなたの成長や新しい音が届くのを心より待ち望んでいます。

9.11以来、かっての自由なアメリカはすっかり見る影もなくなってしまって、閉塞していく一方ではありますが、あなたのような素晴らしいアーチストが生まれてくるアメリカに僕は今でも夢を持ち続けられる自信があります。I love USA.


月曜日, 2月 27, 2006

Konono No. 1


Konono No. 1
Originally uploaded by The Cedar.

 今夏、アフリカのコンゴから最大級のハリケーンが日本に上陸する。Konono No1というバンドだ。
 ディープでコアな正真正銘な伝統的アフリカン・ミュージックで、親指ピアノを主体とする大音量の轟音。これまでのワールドミュージックのような商業ベースで生温いカテゴリーには収まらない、力強く、限りなく黒い音。
 これはかなりヤバイ。 要注意!


木曜日, 2月 23, 2006

City Of Kita-Kyushu


Coheed & Cambria
Originally uploaded by Ander X.

 北九州に新規プロジェクトを介して新たなご縁ができた。福岡市に次ぐビッグな街である。岡本太郎展が開催されていたり、来月に北九州空港がオープンするなどで街全体が活気に溢れていた。

 この街は、九州一の工業都市として栄えていた。また、後背地には炭鉱の筑豊があるなど、博多が商業都市であるのに対し、こちらはかっての労働者の街。イギリスのマンチェスターのような匂いがする街なのだろう。

 マンチェスター。僕にとっては憧れの音楽都市でもある。ザ・スミス、モリッシー、ニューオーダー、、、不思議とこのブログに綴ってきたマンチェスターを拠点に活躍する大好きなイギリスのミュージシャン達。そういえば、北九州にもライブハウスや音楽スタジオ、楽器店などがやたらと目に付く。きっと、ローカルに支持されて活動しているアマチュア・ミュージシャンも多く住んでいるのであろう。この街での新たな出会いに期待大である。

 また、4月は、細野さんが70年代の日本のフォーク・ロックの金字塔的アルバム「HOSONO HOUSE」のリバイバル・ツアーがお隣の博多で行われるように、この地で何か大きな動きが始まろうとしているのかもしれない。

 それと、前述の北九州空港からは海外へ唯一ロシアとの直行便が就航するとのこと。全く正反対な風土や個性を持つ2つの都市であるはずなのに、その組み合わせが刺激的で興味深い。

 ちなみに、北九州とのご縁は、昨年の秋に訪れた「宗像神社」からだ。

水曜日, 2月 22, 2006

岡本太郎を考える


Taking Photo 02
Originally uploaded by tokyo ayano.

岡本太郎展の衝撃が抜けない。頭の中は、太郎の世界で溺れている、そんな一日だった。
 i-podで、serge lopezというスペインの新人アーチストの新譜を聴く。ラテンの血が騒ぐような情熱に溢れた音楽だ。スパニッシュ音楽をベースに、フラメンコ、ジプシー、北アフリカ、そしてブラジルまでも彷彿するミックスカルチャーな地中海音楽であり、粘っこいフラメンコ・ギターの響きにつられて魂は解放され体は自然と躍動する。日本に生まれた自分でさえ、どこかDNAに刻まれているかも知れないラテンの情熱を奮い立たせる。

 岡本太郎も、絵画や彫刻を通じて、日本人にもある「ラテンの情熱」を縄文パワーによって爆発させたかったに違いない。彼は、筆を持つミュージシャンだったのである。 そう考えると、岡本太郎を理解しやすい。

月曜日, 2月 20, 2006

岡本太郎・北九州展


こどもの樹
Originally uploaded by anzyAprico.
岡本太郎・北九州展。
 太郎が芸術に捧げた情熱や彼の魂を感じることができる素晴らしい展覧会であった。
 彼の有名な言葉、「芸術は爆発だ」、「爆発は戦いだ」の意図するところを垣間見るができた。伝統や効率という全体主義に対する前衛による戦いであったり、現代社会において、人が人らしく生きる権利への戦いである。
 日本人は縄文人の優れた感性を見直すべきであると主張する。だから彼の芸術は縄文人による爆発であり、その爆発が彼自身の精神の内面のみで収まるのではなく、外に向けて発していくポップ・インダストリアル・デザインなのである。その手法は不気味な「呪術」である。
 戦後、留学先のパリから帰国し、戦火で荒廃した日本に嘆き悲しみ、日本を再発見するため、全国各地を勢力的に旅をする。イタコ、民間信仰、山岳信仰、そして熊野の地へと。そこで縄文文化に触れていく。日本人の根底に眠っている縄文人のみなぎる生命観の力強さを求め、神社や聖地を憑かれたように巡っていく。そして、1957年。ついに沖縄の久高島のノロ(シャーマン)やウタキ(聖地)と出会い、彼の縄文への憧れは決定的なものとなる。
 彼のメッセージは、一貫している。「現代の日本人で、まともに生きようと努力している人間はいない。生活に遊びや情熱がない。だから、僕は縄文人の呪術を使い日本人にメッセージを送り続けているのだ」。天国にいるはずの太郎の魂と北九州で出会えたようなすばらしい感動。

月曜日, 1月 16, 2006

london niteな気分で

正月モードもすっかり吹っ飛ぶぐらいの超多忙な一週間だった。
朝から深夜、時には早朝まで働きずくしだったよ。本当によく働く中年だ。自分でも感心する。
金曜日は東京の元ボスと久しぶりに北新地のクールなジャズが流れるショットバーあたりでオールナイト・パーティだった。北新地は人も街の賑わいも戻ってきたようで、本格的に景気が回復しているような気配も感じた。
こういう上向き気分のときのBGMは、華やかなでアートで、しかも軽薄な音がマッチする。例えば、80年代のニューウェーブやパンク、スカ、ダブが最高にいい。例えば、こんなlondon niteな選曲!
RIP RIG & PANIC、NEW AGE STEPPERS、LINTON KWESI JOHNSON、FISHBONE、THE SPECIALS、PATTI SMITH、THE STRANGLER、JOE STRUMMER、KILLING JOKE、ECHO & THE BUNNYMEN、BAUHAU、THE SMITHS、LENINGRAD COWBOYS etc
こんなカッコいい英国のモッズ達を覚えていますか?ちなみに僕の青春時代の懐かしい音です。そして、これが今月の僕のi-podのplaylistです。未だに脳みその片隅に残っている寝ぼけた正月気分をたたき潰すには最適なビートだ。

土曜日, 1月 07, 2006

benzaiten winter 3


benzaiten winter 3
Originally uploaded by tblake1981.

原口君ファミリーとの再会


channan
Originally uploaded by mitsu_nakamori.

鹿児島に行ってきた。パン屋を営む旧友の原口君ファミリーとの再会は最高に嬉しかった。

閑静な住宅街にこだわりのアンチーク家具をさりげなくデコレートし、フレンチシックな香りのする素敵なお店をオープンさせた彼を尊敬する。

Channan(カナン)

鹿児島県姶良郡姶良町宮島町32-8

TEL&FAX 0995-67-0671

open 8:00 close 18:30               

金曜日, 1月 06, 2006

夫婦岩


夫婦岩
Originally uploaded by mitsu_nakamori.

2006年が明けた。

元旦の初詣は、ラブリーな伊勢の夫婦岩に参拝してきた。

この写真のように、真っ青な海と空に夫婦岩は映えるけれども、日の出の燃えるような朱色に染まった風景をいつかは見てみたい。