木曜日, 7月 28, 2005

ディープな四万十川


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Originally uploaded by mitsu_nakamori.

 森に響き渡る清流の轟、限りなく透明な水、濃厚な空気、木々の緑、ごつごつとした岩、鳥のさえずり、そしてあたり一面に飛び散るマイナスイオン。

 ここは、四万十川支流の上流域。
 これまでの僕の四万十川のイメージとは異なる未知の世界。

 確かに、吉野にも美しい川は多い。だが、吉野の凛とした透明感とは違う亜熱帯特有の甘くて優しい空気を感じた。

 また、四万十川は、“川”だけに着目した観光ツーリングだけでは勿体ない。山の緑をめでよう。里山の田んぼの風景、ゆったりとした生活のリズムを感じてみよう。この地に身をおけば、本来の自分のペースを取り戻せるかもしれない。

 今回の旅で得た四万十川に対するイメージは、“ハワイのジャングル”のような世界。

 そう、ここに流れるのは、まったりとした濃厚な時間_
 

 サウンドスケープで喩えるならば、今回の旅で車のBGMに流し続けていたSprout。ゆるめのオーガニック・グルーブな曲がぴったし溶けあう。

 だれか、こんなディープな四万十の新しい旅のスタイルをもっと僕らにコーディネイトしてくれませんか。

 次回はテント持参。

土曜日, 7月 23, 2005

ANEMOΣ


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Originally uploaded by mitsu_nakamori.

荒れ果てた地に横たわる
水晶に封印された縄文人の記憶のかけらを
幽世と現世のシャーマンである御杖たちが祓い清める
アネモスよ、君は海原を鳥のごとく悠々と飛翔し、その魂は波多の民に還る
風は波を生み、波は竜神と化す
そして、夜空の星座と太陽神アマテラスが出会う周期を大地に刻印する
荒涼の地に眠る去勢された鉱物を嘆き悲しむ君よ

君はひとつの伝説でもある



木曜日, 7月 21, 2005

アサーティブネス


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Originally uploaded by mitsu_nakamori.

 わが社の狭い世界でさえ人間関係につくづく疲れることがある。上司、部下、クライアント・・・・。僕らは会社で生産するという労働に匹敵するぐらいコミュニケーションに費やす労力やエネルギーを消耗している。人と人とのコミュニケーションの大切さはわかるが、時には物静かに自分の世界に没頭して仕事をする時間だって貴重だ。確かに、今の僕の会社での立場からは贅沢な望みなのかも知れないけれども。

 僕の会社は技術者集団であるので、自分の技術には責任とプライドをもつ人間が必然的に集まっている。特に、僕は妥協を許さず、かつ熱くなるタイプであるので、仕事上での衝突が避けられず対人関係も決して上手くいっているとは言いがたい。それでも最近は、管理職として部下の成長を暖かく見守っていくことの大切さに目覚めてもいる。でも、昨日は上司と締め切り前の僕が書いたコンペ資料で熱いバトルを繰り返してしまった。自分の技術や意見を主張するつもりが、いつのまにやらお互いがエゴ剥き出しのパワートークへと転換し、つくづく嫌になってしまうし後味も悪い。

 アーサーティブネスというコミュニケーション理論を習ったことがある。Assertivenessとは、「自己主張すること」。でも、自分の意見を押し通すのではない。それは、自分の気持ちや意見を、相手の権利を侵害することなく、率直に、誠実に、対等に表現することである。この理論は70年代のアメリカの女性解放運動から始まったもので欧米社会では広く浸透しているらしい。

 アサーティブネスでは自分には12の権利があると説く。同様に相手にもあるこの権利を侵害しないということが基本であると言う。

  1. 私には、日常的な役割にとらわれることなく、ひとりの人間として、自分のため優先順位を決める権利がある
  2. 私には、賢くて能力のある対等な人間として、敬意をもって扱われる権利がある
  3. 私には、自分の感情を認め、それを表現する権利がある
  4. 私には、自分の意見と価値観を表現する権利がある
  5. 私には、自分のために「イエス」「ノー」と決めて言う権利がある
  6. 私には、間違う権利がある
  7. 私には、考えを変える権利がある
  8. 私には、「よくわかりません」と言う権利がある
  9. 私には、ほしいものやしたいことを、求める権利がある
  10. 私には、人の悩みの種を自分の責任にしなくてもよい権利がある
  11. 私には。まわりから人の評価を気にせず、人と接する権利がある
  12. 私には、アサーティブでない自分を選ぶ権利がある

 個人的には、8番目の権利が好きだが、英語ならば“I have No Idea.”でさらりと表現できるけれども、日本語であればその言葉の奥にある姿勢を問われるようで、喧嘩に発展しかねないという疑問が残ることも確かである。

 いずれにせよ、この講義を受けて、自分のコミュニケーション・パターンの欠点に気づき、アサーティブなものへと変えていくために日々トレーニングしていこうと誓ったばかりであるのに、昨日の上司との一件からして長年の習慣や態度を変えることの難しさを実感した。

 そして、良好なコミュニケーションの入口は、『人を誉めて、人の目をしっかり見ること』。これって、日本人には結構難しいことなんだ。

水曜日, 7月 13, 2005

On the Road


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Originally uploaded by mitsu_nakamori.

 日本の平凡な道だけれども、なんとなく好きな風景。
 山口県周南市の国道2号線。この道は、中国地方を横断し関西圏と九州地方とを結び、また、山陽地方の主要都市間を連絡する西日本の大動脈。
  この日、僕は山陽新幹線の徳山駅で降り、レンタカーを借りて見知らぬ街を徘徊した。その目的は、道路整備効果をリサーチするためにドライバーや住民の視点 へと限りなくブレークダウンしたフィールドワークのためだ。地味な仕事ではあるが、好きな分野。道路整備は確かに環境や自然保全にとっては脅威的なもので あることは否めないが、人の生活や営みを支えるための必要不可欠なライフラインだ。人とモノの流れを血液と喩えると血管の役割をなす。特にこの写真の道路 は、欧米並みにクルマが快適に走行できるし、自転車や歩行者にも安全で歩いて気持ち良さそうな広い歩道だってある。
 このような日本版Free-Wayにクルマを走らせて知らない街に出かけてみるのも楽しい旅のスタイルだろう。バックパッカーのように必要最低限の荷物をトランクに詰め込んで彷徨するのだ。そのような自由で気ままな自分探しの旅に憧れる。

  山口は瀬戸内海沿岸には少し昭和の時代にタイムスリップしたような懐古で特異な街が多くあるし、山陰には魅力的な日本の原風景が広がっている。長門では天 才童謡詩人‘金子みすず’の世界に魂が洗われるだろう。そして、「ふぐ」であまりに有名な下関は、本州の最果ての地。この街は、本州、九州、韓国・中国と の三角形を結ぶ陸と海のクロスロードとして独特の雰囲気を醸し、どこかアジアの匂いが漂うオリエンタルチックで開放感のある港町だ。
 なにげない「道」から新たな旅や出会いが始まり、そして、その道には終着点はない。“On the Road”かってのアメリカのビートニクス詩人や放浪者が好んだ言葉だ。

 On the Road_そして、僕のこのblogも肩の力を抜いて、日々感じる事柄をありのままに綴っていこうと改めて思う。

 Be Here Now!!