水曜日, 4月 13, 2005

bonarooフェスはもうすぐ

 テネシー州ナッシュビルで開催されるbonnarooフェスティバルがあと2ヶ月と近づいている。 出演者のラインアップの全容は未だ明らかではないけど、今年の目玉は、やはり、TreyとBob Wier、オールマンっていうところなんだろうか?今回、僕がbonnarooに行く決心をした理由の一つは、その本場の空気を味わってみたいことや、日本以上に閉塞する現代のアメリカ社会において自分の価値観や『自由』を求めるアメリカ人の多くが、カントリー、フォーク、ジャズ、ブルース、カリプソといったアメリカン音楽のルーツを踏襲し心地よさを追求するjam系のバンドが多く出演するこのフェスに集結していると考えられるから。ウッドストック、フラワー・チルドレンの第二世代であり、当時のベトナム戦争下のアメリカと現代のアメリカがオーバーラップしている今、bonarooのような自由な空気を求めるフェスが盛り上がるのは当然の成行きなんだろう。jam系は、60年代からスタートしたgreatful deadから去年解散したphishやその後継者というように、世代を越えてつながっている。僕らは70年代、80年代というように年代毎にカテゴライズしたり、イギリス系だとか、レゲエ、エレクトロニカ等といった多様なジャンルを幅広く聴いてきた。実際、渋谷の宇多田町界隈は、世界で最もレコード屋の密度が高いときくし、海外のアーチスト達に言わせると日本人は最良なリスナーであるらしい。アメリカ人と日本人との音感の違いはなんだろうか?たぶん、それは自分達のルーツとする音楽を持っているか否かの差なのかも知れない。例えば、Ry Cooderは白人にして、黒人音楽の古いゴスペルやブルースを掘り起こしをし、カントリーミュージックの根源であるヒルビリーとの接点を見つけた。その後、メキシコ、ハワイ、沖縄までをも消化し、そしてキューバまでをも彼自身の音楽スタイルとして確立している。よそ者としてそれらの音楽を主観的に感じとり自身のスタイルに取り入れているようで、実は、しっかりとアメリカのルーツミュージックとの接点を掘り当てているに違いない。なぜならば、アメリカの白人は移民達であるからである。イギリスのストーンズがいぶし銀の黒人ブルースに共感するのも、アイルランドのヴァン・モリソンがソウルフルなのも、このように考えると当然のこと。
 では、日本人の僕。僕にとってのbonnarooは自分探しの旅であり、音楽の聖地巡礼の旅でもあり、僕らが幼い頃から聴きなじんできたアメリカン・ミュージックへのオマージュなのかもしれない。

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