火曜日, 4月 19, 2005

地方のアニミズム的な伝承を再発見し、自然と地方との新たな係わり方をプロデュースする

 日本の地方がもつ魅力とは何だろうか。よくそんなテーマについて自問する。地方が古来より伝承してきた独自の風習や宗教観、自然や神への崇拝、鬼などの見 えない物への畏怖が忘れられつつあり、バブル期にはリゾートマンションや無駄な公共事業の開発によって豊かな自然や文化の多くが失われた。また、経済や効 率化を優先する社会システムは、地方から都市への人口流出化を進ませ、地方では少子高齢化の進行、後継者不在によって祖先から受け続いてきた土地を手放す 人も多いと聞く。人が住まなくなった里山は荒れ果て朽ちていく。
 このような、地方の衰退はこれからの日本社会や自然環境へ多大に影響を及ぼすもの である。また、地方衰退は、日本人のもつ「自然を感じ、共生する心」つまり、レイチェル・カーソンの言う、センス・オブ・ワンダーの考えが忘れ去られる恐 れがある。日本人は縄文時代以前より、自然そのものを神として崇拝するアニミズム的な宗教世界があり、自然に身をおくことで生きる力や活力を得て、癒され てきた。我々は人間性の回復の場でもある自然やアニミズムの宝庫である地方の魅力や役割を再認識する必要がある。
 そこで、僕が取組んでみたいこと は、地域活性化の新たなアプローチとして、地方の本来の魅力を掘り起こすことを目的に、特定の地域コミュニティに密着に接触し、地方に伝わる伝承や祭り、 神社の神事などの宗教的神事に参加・体験させていただき、現代人が忘れかけている「人と自然との良好な関係のあり方やセンス・オブ・ワンダー的な伝承」を 現代人に訴求するテーマを見つけだすことである。また、そのテーマを広く一般や子供達へ伝承するための媒介として、地域プロデューサーという立場から地元 住民、行政、NPO等を巻き込んだワークショップやイベント等の企画立案と実践を行い、現在のお金だけを地方に落とさせる仕組みに特化した地方活性化論に 一石を投じてみたいのである。

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