土曜日, 4月 09, 2005

又兵衛桜と天益寺の枝垂れ桜

 桜前線の真っ只中の週末、奈良県大宇陀郡大宇陀町の又兵衛桜と天益寺にて花見を満喫した。大宇陀は、奈良県中部に位置する廻りを山々に囲まれた盆地にある。万葉集で柿本人麻呂が―ひんがしの野にかぎろひの立つ見えてかへりみすれば月かたぶきぬ―と詠んだ、『かぎろい』(厳寒期早暁の気象現象)が観察できることで知られている。

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Originally uploaded by mitsu_nakamori.

大宇陀の小高い丘に立つ天益寺(てんやくじ)は境内の樹齢350年の枝垂れ桜で知られ、かやぶきの美しい本堂がある古寺だが、99年1月に放火事件に巻き込まれ本堂が全焼し消滅した。
 このお寺で毎年桜の時期に夜桜コンサートが開催されてる。野田晴彦さんという笛のミュージシャンがお寺の再建のためのチャリティコンサートをなされている。この大宇陀の小さな山村が桜のシーズンは多くの人々が集い、ライトアップされた夜桜が夜空に浮かびあがるなか、笛の音が村中にこだまするという、何ともアーティステックで、幻想的で雅な空間に酔いしれることのできる、本当にすばらしい花見が堪能できる。
 僕の大きな後悔。それは、大宇陀に毎年このようなすばらしい桜が咲き、この雅な空間をこれまで知らなかったこと。そして、プロ、アマチュアを問わずカメラマンを魅了したという今は消滅した天益寺のかやぶき屋根の本堂をこの目で見れなかったということ。一日も早い再建を願ってやまない。

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