火曜日, 11月 04, 2008

「みろくの世」出口王仁三郎の世界


「みろくの世〜出口王仁三郎の世界」を読んだ。
上田正昭京大名誉教授監修により、「巨人」王仁三郎の奥深い世界感を俯瞰できる素晴らしい本だ。
今年の夏、友人の大本教の信者さんのお誘いで亀岡の天恩郷を生まれて初めて訪れる機会をもらい、そして、王仁三郎のゆかりの場所や霊山・高熊山でのご神事にも参加させていただいた。
あの場所に信者でもない僕が参加したことの意味は、現段階ではっきりとはわからない。
だが、それは、いずれ明らかになることだろう・・・

さて、この本のなかで、昭和6年に大本の若手信徒を囲む王仁三郎の座談会の議事録が興味深い。
内容は、青年のこと、教育のこと、農業のこと、未来のことなど実に身近で素朴な質疑応答なのだが、王仁三郎の一言一言から、人間味あふれる性格がよく現れていて、80年も前のことなのに、昨日のように生々しい。
また、いまの自分自身の心境や悩み、果ては現代の社会問題を示唆するメッセージも込められているようで不思議だ。

『人の心を悟り、また社会の心に通じなければいかん。そして、人が見方となつて自分についてくるようにならな仕事はできん』

『人間というのは情けにもろいものだ。そのため自分が犠牲となって、他人の失敗を引き受けるという失敗をよくやる。まずは自分が立てるようになってから、神に与えられた自身を保つことが肝心じゃ』

『人類愛善は一国だけやってはだめで、他の国がやらなんから世界に広めて、世界各国に人類愛善のノロシをあげねばならん』

『わからんかのう、神様の本体は酒やがな。酒飲んでみい、顔が赤くなって泣いたり喜んだり、怒ったり、常に思った通りのことを言うたり、やったり、自分を隠したりせんようになる・・』

そして、極めつけは、
『農林大臣は農村のことに関して実地に当たって、よくすべてのことを経験している人がやらなあかん。いもづる式の学問ばかりやっていては、本当の政治はできん。釣り合いというものがない』

『みろくの世になったら、農業の発達をとめる。需要だけを生産するようにする。』

『日本の抜本経済政策を実行したいのなら、教育から直さなあかん。そして、今の人間は冥加ということを、ちっとも知っとらん。月日と土の恩を知れ。』

芸術は宗教の母である・・という王仁三郎。
偉大なる宗教家にして芸術家。
かって、吉川英治は、千年に一人、出るか出ぬかという人物だと評した。
確かに、王仁三郎のメッセージは、現代社会にこそ通じるのがある。
全ては「霊界通信」に確信書とし記してあるという。まずは、入門編として本書を薦める。

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