月曜日, 2月 20, 2006

岡本太郎・北九州展


こどもの樹
Originally uploaded by anzyAprico.
岡本太郎・北九州展。
 太郎が芸術に捧げた情熱や彼の魂を感じることができる素晴らしい展覧会であった。
 彼の有名な言葉、「芸術は爆発だ」、「爆発は戦いだ」の意図するところを垣間見るができた。伝統や効率という全体主義に対する前衛による戦いであったり、現代社会において、人が人らしく生きる権利への戦いである。
 日本人は縄文人の優れた感性を見直すべきであると主張する。だから彼の芸術は縄文人による爆発であり、その爆発が彼自身の精神の内面のみで収まるのではなく、外に向けて発していくポップ・インダストリアル・デザインなのである。その手法は不気味な「呪術」である。
 戦後、留学先のパリから帰国し、戦火で荒廃した日本に嘆き悲しみ、日本を再発見するため、全国各地を勢力的に旅をする。イタコ、民間信仰、山岳信仰、そして熊野の地へと。そこで縄文文化に触れていく。日本人の根底に眠っている縄文人のみなぎる生命観の力強さを求め、神社や聖地を憑かれたように巡っていく。そして、1957年。ついに沖縄の久高島のノロ(シャーマン)やウタキ(聖地)と出会い、彼の縄文への憧れは決定的なものとなる。
 彼のメッセージは、一貫している。「現代の日本人で、まともに生きようと努力している人間はいない。生活に遊びや情熱がない。だから、僕は縄文人の呪術を使い日本人にメッセージを送り続けているのだ」。天国にいるはずの太郎の魂と北九州で出会えたようなすばらしい感動。

1 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

YES,Yes,yes......
I am of the some sentiment.
You are a good writer. Wonderful!!