
すべての生けとし生けるものには、
幸福を求め、平和に暮らす権利がある。
これとは反対に、他人に痛みや苦しみを
与える権利をもつ者など一人もいないのです。
ゆるしの気持ちを身につければ、
その記憶にまつわる負の感情だけを
心から手放すことができるのです。
ゆるしとは「相手を無罪放免にする手段」ではなく、
「自分を自由にする手段」です。
まず自分自身に思いやりをもち、
それを周りの多くの人たちに向けて広げていくのです。
つまり、自分自身を嫌悪しているような人は、
他者を思いやることなど不可能なことです。
怒りは力ではなく、
弱さのしるしなのです。
もし私の国が侵略されていなければ、
おそらく私は今よりもずっと保守的になっていたことでしょう。
中国人は私を、強靭で決断の固い人間にしてくれました。
私は、自分を進歩させてくれた彼らに、感謝しているのです。
「ゆるす言葉」著ダライ・ラマより