木曜日, 7月 21, 2005

アサーティブネス


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Originally uploaded by mitsu_nakamori.

 わが社の狭い世界でさえ人間関係につくづく疲れることがある。上司、部下、クライアント・・・・。僕らは会社で生産するという労働に匹敵するぐらいコミュニケーションに費やす労力やエネルギーを消耗している。人と人とのコミュニケーションの大切さはわかるが、時には物静かに自分の世界に没頭して仕事をする時間だって貴重だ。確かに、今の僕の会社での立場からは贅沢な望みなのかも知れないけれども。

 僕の会社は技術者集団であるので、自分の技術には責任とプライドをもつ人間が必然的に集まっている。特に、僕は妥協を許さず、かつ熱くなるタイプであるので、仕事上での衝突が避けられず対人関係も決して上手くいっているとは言いがたい。それでも最近は、管理職として部下の成長を暖かく見守っていくことの大切さに目覚めてもいる。でも、昨日は上司と締め切り前の僕が書いたコンペ資料で熱いバトルを繰り返してしまった。自分の技術や意見を主張するつもりが、いつのまにやらお互いがエゴ剥き出しのパワートークへと転換し、つくづく嫌になってしまうし後味も悪い。

 アーサーティブネスというコミュニケーション理論を習ったことがある。Assertivenessとは、「自己主張すること」。でも、自分の意見を押し通すのではない。それは、自分の気持ちや意見を、相手の権利を侵害することなく、率直に、誠実に、対等に表現することである。この理論は70年代のアメリカの女性解放運動から始まったもので欧米社会では広く浸透しているらしい。

 アサーティブネスでは自分には12の権利があると説く。同様に相手にもあるこの権利を侵害しないということが基本であると言う。

  1. 私には、日常的な役割にとらわれることなく、ひとりの人間として、自分のため優先順位を決める権利がある
  2. 私には、賢くて能力のある対等な人間として、敬意をもって扱われる権利がある
  3. 私には、自分の感情を認め、それを表現する権利がある
  4. 私には、自分の意見と価値観を表現する権利がある
  5. 私には、自分のために「イエス」「ノー」と決めて言う権利がある
  6. 私には、間違う権利がある
  7. 私には、考えを変える権利がある
  8. 私には、「よくわかりません」と言う権利がある
  9. 私には、ほしいものやしたいことを、求める権利がある
  10. 私には、人の悩みの種を自分の責任にしなくてもよい権利がある
  11. 私には。まわりから人の評価を気にせず、人と接する権利がある
  12. 私には、アサーティブでない自分を選ぶ権利がある

 個人的には、8番目の権利が好きだが、英語ならば“I have No Idea.”でさらりと表現できるけれども、日本語であればその言葉の奥にある姿勢を問われるようで、喧嘩に発展しかねないという疑問が残ることも確かである。

 いずれにせよ、この講義を受けて、自分のコミュニケーション・パターンの欠点に気づき、アサーティブなものへと変えていくために日々トレーニングしていこうと誓ったばかりであるのに、昨日の上司との一件からして長年の習慣や態度を変えることの難しさを実感した。

 そして、良好なコミュニケーションの入口は、『人を誉めて、人の目をしっかり見ること』。これって、日本人には結構難しいことなんだ。

2 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

う~ん 人間関係は難しいですね。私の場合、自分の思いを強く主張するのではなく、うまく伝える工夫を心がけています。言い方ですね。それと、相手の話をきちんと聞くということ。最後まで話を聞かずにスパッと切り捨てる言い方をしてしまうことが多々あります。このあたりまえを私も苦労しています。日々勉強です。
さて、そろそろ燃料切れ?久しぶりにトークセッション、再会しますか。では、また。

ミーシャ さんのコメント...

こちらこそ、よろしく!お酒抜きで人と有益なトークセッションができるか否かがバロメータだね。